600-610


いつか消えてしまうのなら消える前に自分で棄てて、自分から失ったのだと嘲笑おう。

「空が青いね」なんて言うくらいの口調で、君に「さようなら」を言おう。

空を舞う鳥が地に堕ちるように、宙を舞う蝶が捕らえられるように、いつか私は跡形も無く消え去るのでしょう。

あの星は過去を生きていた星だ。今はもうすでに死んでいる。
この意味が解れば、天体なんて勉強しなくていいだろう。

人間には二つの種類がある。晴れの日のほうが好きな人間と、雨の日のほうが好きな人間だ。

白と黒では黒が強いけれど、僕と君の関係の場合は白のほうが強いらしいね。

消えそうな名前を何度も何度も繰り返しつぶやいて、確かな何かに留めようとした

想いは言葉へと姿を変えて、言葉は道を作り上げて、そして道は世界を創った。

世界で一番優しくて、同時に世界で一番残酷な嘘を君へ授けよう。

なぜだかは解らないけれど、僕は哀しい物語しか書けないみたいだ。